江戸小紋
極めて細かい文様で、遠目には無地に見えるほどの細かさを持つ染着物。
江戸時代、武家の裃（かみしも）に用いられた装束として発展し、やがて町人文化と結びついていった「江戸小紋」は、現在の男着物においても特別な存在です。
一見すると無地に見えるほどの小さな文様、色数を抑えた落ち着いた風合い、そして何より“控えめな中に漂う格”が、江戸小紋の最大の魅力です。小紋と江戸小紋の違い
小紋（こもん）とは、着物全体に同じ模様が繰り返し染められた、おしゃれ着用の着物です。花柄や市松、幾何学文様など柄の種類は豊富で、遠くからでも模様がはっきり見えるのが特徴です。街歩き、食事会、観劇などのカジュアルな場に向き、格式は高くありません。一方、江戸小紋（えどこもん）は小紋の中でも特に格式の高い特別な着物です。極めて細かい文様を、「伊勢型紙」を使って一つひとつ型染めする伝統技法によって作られます。文様は人の目で判別しにくいほど細かく、遠目には無地に見えるのが最大の特徴です。鮫小紋・行儀・通しといった“三役”は特に格が高く、無地感覚で着られるため、家紋を付けると式典や改まった場にも着用できます。この伊勢型紙と江戸小紋の染色技術は、国の重要無形文化財にも指定される高度な職人技です。
すぐに着られる（既製品）
鮫小紋(洗える着物)
お手入れしやすいポリエステル素材の着物にスクリーン染めといって機械染めした着物です
南天(洗える着物)
お手入れしやすいポリエステル素材の着物にスクリーン染めといって機械染めした着物です
