「夏は暑いので男着物を着るのを躊躇してしまう……..」
そんなお声をよく頂戴します。
男着物の暑さ対策のポイントの一つに、肌に近い「襦袢(じゅばん)」の素材選びを改善することで涼やかに着こなすことができます。
気軽なお出かけなどには上半身だけの半襦袢が人気ですが暑く感じることもしばしばあるかと思います。こちらのページでは、襦袢を見直すだけで夏のお出かけで気になる汗の不快感やムレを大きく軽減する方法をお伝えします。

ひとまずこちらでは、「本麻(ほんあさ)」と「爽竹(そうたけ/東レシルック生地)」の襦袢を中心に、夏場の快適性・お手入れ・サイズ選びのコツまでをわかりやすく解説していきます。
襦袢の種類
まずは襦袢の種類等について基礎的なことから簡単にご説明していきます。
大きく分けて襦袢は上半身だけの「半襦袢」と、長さが裾まである「長襦袢」に分かれます。素材も絹、化繊、ポリエステル、ウール、木綿、モスリン等があって、絹は高くて、木綿やポリエステルは比較的お値打ちなものが多いです。
購入される際も「既製品」なのか、反物と言われる生地から「誂えする方法」とがあります。購入する際に価格を重視するのであれば既製品の方がお値打ち価格です。反物生地からのお仕立てとなると、既製品よりも割高で納品まで時間が少しかかります(2か月ほど)が、自分のサイズにオーダーできるメリットがあります!
長襦袢
着物の下に着る衣服のことで、裾まである下着のようなもので着姿を整える役割があります。着物よりもひと回り小さい目を着るとされます。

半襦袢
上半身のみの襦袢。軽装や普段着使いに便利。半襦袢を着用する際は」下半身にステテコなどを組み合わせします。

– 反物:仕立て前の布地の巻き。寸法に合わせて仕立てます。

それでは夏にお薦めの襦袢生地についてご案内していきます!
夏素材の定番は本麻(リネン)の襦袢

夏着物に合わす襦袢選びで当店のおすすめは2本柱ですが、最初にお薦めするのが麻の襦袢です。本麻とは麻100%のことを指し、その特徴を下記にまとめてみました。
-綿よりも吸水力が高く、汗を素早くキャッチ
– 速乾・放熱:乾きが早く、繊維間の隙間で熱がこもりにくい
– 清涼感:べたつきにくく、真夏でも肌離れが良い
– 耐久性:丈夫でへたりにくい
– 肌触り:綿はソフトで保温性があるのに対し、麻は肌触りがやや硬めで清涼感があります

清涼感と手入れのしやすさに優れた「東レ爽竹(そうたけ)」

繊維メーカーでもある東レが開発した生地が「東レ爽竹」です。その特徴をまとめます。
-素材:ポリエステル約75%+竹由来レーヨン約25%
– 特徴:熱がこもりにくく、吸湿性がありムレを軽減
– 肌触り:薄手で非常にソフトで滑らか。敏感肌の方にも人気
– しわ・扱いやすさ:ポリエステル混でしわになりにくく、洗濯後のお手入れが楽

木綿やポリエステルと比べても、本麻や爽竹は 通気性や、吸湿・速乾性に優れて快適です。これから暑くなる時期には夏専用素材はやっぱりおすすめです。
ふたつを比べたときに、天然素材志向であったり涼しく汗対策を重視するなら本麻ですし、 手入れのしやすさと快適性のバランスが高く肌当たりのやわらかさとお手入れの手軽さを求めるなら「東レ爽竹」といったところでしょうか。
夏の長襦袢を長く、美しく保つためのお手入れ術

汗をかきやすい季節だからこそ、マメに家庭で洗える襦袢は便利です。きちんとケアすることで、翌シーズンも気持ちよく袖を通すことができます。
– 本麻:洗濯機OK(おしゃれ着洗いを推奨)
毛羽立ち防止にネット使用したり、弱水流や脱水時間を短めにするのもいいでしょう。干す時は直射日光ではなく陰干し。直射日光は黄変の原因にもなるので気をつけましょう。
– 爽竹:洗濯機OK(ネット使用)。しわになりにくく乾きも早い。こちらも直射日光下ではなく陰干しをおすすめします。乾燥機は避けてください。
本麻、東レの爽竹のどちらにも言えるのですが、衿回りは汚れが目立つ場所なので、汚れていれば部分洗いで皮脂汚れをしっかり洗ってからの洗濯機がお薦めです。汗をたくさんかいた日は早めの洗濯で変色・シミ予防をしてください。保管前は必ず乾かすように心がけて下さい。半乾きはNGです。
夏の着物には長襦袢と半襦袢をどう使い分ける?

夏の着物を快適にするには、↑で「インナー選びが重要です」とお話ししましたが、シーンや着こなしに合わせて使い分けるのもいいと思います。
基本は「長襦袢」がベターです

清涼感と見た目を両立させるなら「夏用の長襦袢」をおすすめします。

特に透け感のある夏着物を着る場合には半襦袢だと上半身と下半身の切り替え部分が透けて見えてしまうことがありますが、長襦袢であればその心配がないし足元までスッと通ったきちんとした着こなしを保てます。
「きちんと感」を出したい場面や透け対策が必要なシーンでは長襦袢をおすすめします。
透け感のない着物には半襦袢でもOK

一方で、気楽で気軽に普段着感覚で着物を着こなしたい時には半襦袢が便利です。
例えば袴を着用する場合などは、足元がもたつかず、裾が邪魔になりにくい半襦袢の方が動きやすいので快適に過ごせます。

また透け感のない着物や単衣の着物であれば、内側は「長襦袢」ではなく「半襦袢+ステテコ」という組み合わせでも問題ないでしょう。
まずは基本の一枚として夏用の長襦袢を揃え、アクティブに動く日やカジュアルなシーンに応じて半襦袢を取り入れるという使い分けが、夏の着物と襦袢を楽しむコツかと思います。
既製品の襦袢は裄丈を気をつけましょう

襦袢の裄丈は「着物より短め」が基本です。長襦袢の袖が着物から出ないように気をつけましょう。サイズ選びに迷ったら短い方を選ぶといいと思います。
以上、夏着物の選び方を中心にお手入れ方法、サイズ選び等をまとめてみました。暑くなる季節でも着物を快適に楽しんでいただけるお手伝いを男着物の加藤商店ではさせていただきますので、ご質問などございましたら遠慮なくお申し付けください。
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