
こんにちは、男着物の加藤商店です。
今回は華道をされているお客様からのご相談をもとに夏の黒紋付を誂えるまでのご来店事例をご紹介します。
ご来店くださったのは3月上旬です。5月末に開催される華道の発表会にご参加予定で黒紋付袴を購入したいとのお問合せでした。
この展示発表会は、家元の先生方も出席される格式ある場とのことで、しっかりとした装いを用意しておきたいとの思いで、ご相談に来てくださいました。
正絹素材で夏の黒紋付袴
5月末の発表会ということで、着物の季節感で言えば「袷(あわせ)」や「単衣(ひとえ)」が一般的ですが、お客様ご自身が暑がりな体質ということもあるので「少しでも涼しく着られる着物がいい」とのご要望もありました。
事前に男着物の加藤商店のオンラインサイトでも商品を確認され、商品選びも事前にしっかりと検討されていました。
男着物の加藤商店では、黒紋付きの着物を手頃な化繊素材の既製品から高級感のある正絹素材までご用意しています。
今回のお客様は「格式のある展示会」「涼しい装い」を考慮した結果、黒の発色に深みと品格が出る正絹素材を選ばれました。そして涼しさで選ばれたのが絽(ろ)という夏用の黒紋付です。
↑透け感がある夏の着物です
絽とは
絽は織りの段階で隙間をつくって織ることで通気性を高めた生地です。見た目にも涼しげで夏着物として人気の素材です。
肌に触れる長襦袢は洗えるものを
フォーマル着物の下に着る長襦袢は「自宅で簡単にお手入れができるものを希望」とのことで、洗濯機で丸洗い可能な東レシルックの化繊襦袢をお選びいただきました。見た目は絹に近く、さらりとした肌触りで夏にも快適です。
正絹素材の長襦袢は柔らかな肌ざわりが特徴で、着心地の良さでも多くの方に選ばれています。ただし、正絹はデリケートな素材なので自宅での洗濯は難しく、基本的には専門のクリーニングに出す必要があります。
一方で、東レシルックの化繊素材は着心地も柔らかく、絹に近い風合いなのが特徴です。何よりも「自宅で洗濯機で丸洗いできる」という手軽さ。
汗かきの方などでも気軽に洗えるので、メンテナンスコストを抑えたい方や、頻繁に着物を着る方にとっては重宝頂けると思います。着用頻度や用途に合わせて素材を選ぶことをおすすめします。
袴は、正絹素材の既製品の仙台平。正絹素材の袴というと反物からのお仕立てがほとんどですが、数に限りはありますが既製品もご用意しています。
丈がやや長めだったため、紐下を2cm短くお直しすることでご対応させていただきしました。追加代金はかかりましたが、既製品でもこうした微調整はさせていただきます。(既製品の場合、大幅なお直しは難しいです)
カバー付きの草履
足元も試着頂きながらぴったりの履物をセレクト。
梅雨の時期など道中で足袋が濡れてしまうこともあるので、見た目と実用性の両面からお選びいただきました。
お仕立て期間
紋入れとお仕立ては、余裕をもってご準備をお願い致します。
納期の目安として、国内仕立て約50日、紋入れ約10日で合計で約60日(2ヶ月)は最低でもかかります。
イベントや発表会に間に合わせるためには、できれば余裕を持っていただき2〜3ヶ月前のご相談がおすすめです。
特に春〜夏のシーズンはご注文が集中する時期なので、なるべくお早めにご検討ください。
着付けレッスン
着物を仕立てた後、「どう着たらいいのかわからない」という声は少なくありません。今回のお客様も初めてということでしたので、仕立て後にプライベート着付けレッスンにご予約いただきました。
事前に着付け動画を何度も見て頂き、シュミレーションしていただいた上でのご参加だったのである程度スムーズにすすめることができました。とはいえ、当店では着用目的や体型に合わせてお一人ずつに合わせた丁寧な指導を心がけています。
加藤商店では、お客様の体質・予算・ご着用目的に合わせたご提案をしております。初めてで何を選べばいいかわからないという方も、どうぞお気軽にご相談ください。