
こんにちは、男着物の加藤商店です。
本日はアメリカ・カリフォルニアからのお客様のご来店エピソードをご紹介します。
事前に当店のWEBサイトをご覧になり、ご来店予約をいただきました。
ご来店されたのは日本の伝統芸能である三味線を学ばれているアメリカ人男性のお客様。演奏会にふさわしい正装としての「黒紋付き羽織袴(くろもんつきはおりはかま)」を誂えたいというご相談でした。
今回のお客様は三味線以外にも日本舞踊も習われているとのことで、お稽古の時から着物や浴衣を着られているようです。すでに帯などの小物類はお持ちなので着物と羽織、そして袴をご購入希望でした。
当店では、黒紋付きの着物はポリエステル素材の既製品から、誂えでの正絹(しょうけん)の高級素材まで幅広く取り扱っております。
今回は格式ある場で着るものだから、化繊素材ではなく正絹の着物をお選びになりました。
正絹は黒の色に深みがあり舞台映えするのはもちろん、しなやかな着心地や所作の美しさにもつながります。フォーマルな着物として、やはり正絹は特別な着物だと思います。
黒紋付着物には家紋が必要です
黒紋付き着物には家紋(かもん)が必要です。お客様の中にはご自身の家紋がわからなかったり、外国人の方であればそもそもお持ちでない方もいらっしゃいます。
そういった場合は好きな家紋を選ばれても問題ありません。
当店では、「平安紋鑑(へいあんもんかん)」と呼ばれる家紋帳をご用意しており、その中から好みの紋をお選びいただくことも可能です。
また、茶道や三味線、日本舞踊などのお稽古ごとをされている方の中には、師匠の家紋を借りて入れるというケースもございます。
自分のルーツを大切にした装い
家紋は格式を表す印として、フォーマルな着物に入れるのが習わしとなっています。実は今回のお客様は日系の方ということもあり、ご自身の家の家紋を持っていらっしゃいました。
家紋はただの装飾ではなく、日本文化や自分自身のルーツと向き合われているのだなぁと感慨深くなりました。日本舞踊や三味線といった伝統芸能をされているのもそういった理由があるのかもしれないと勝手に想像してしまいました。
体型にあった誂えにて
正絹素材の黒紋付き着物は既製品の取り扱いがありません。反物(たんもの)といわれる黒い生地から仕立てるのが基本です。今回も店頭にて生地の風合いや黒の色味をご確認いただき、体型に合わせて採寸してお仕立てを進めることになりました。
お仕立てには家紋入れに10日、仕立てに50日ほどかかり、約2か月かかります。
海外配送も可能です
今回のように日本へ旅行のタイミングでご来店くださるお客様も年々増えていますので海外発送の対応も可能です。ただし、配送にかかる送料や、商品金額によっては関税が発生する場合がありますので、送料および関税等の諸費用はお客様ご負担となります。
当店では英語の対応は十分ではないかもしれませんが、海外在住のお客様にも安心してご利用いただけるよう丁寧に対応させていただきますのでご相談がありましたらお気軽にお問合せくださいませ。
演奏会のような晴れの舞台では、きちんとした着物で臨みたいというお気持ちが強く、今回の来日中にわざわざ京都・烏丸店へ足を運んでくださいました。