着物のお手入れと保管方法|男着物の加藤商店

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着物のお手入れと保管方法


◆外出から帰ったら
すぐにビロードなどのやわらかい布か、やわらかい毛のブラシで肩や袖口、裾等を軽くたたくようにして、着物全体のほこりを落とします。ほこりは目に見えないので、ついそのままにしがちですが、年月がたつと少しずつ着物の色合いを変化させる原因になります。


◆着物を脱いだ後は
すぐに着物ハンガーにかけて風を通します。
風通しのよい室内に2〜3時間ほど掛けて体温や湿気を取り除きます。



◆アイロンをかける
帯を締めたときの着物のシワや座りジワなどはしまう前にアイロンをかけてシワを伸ばしましょう。
同時に殺虫効果が生まれます。アイロンをかける場合には、必ず「あて布」を置いて上に130〜150度程で軽くかけて下さい。


◆シミや汚れのチェック
上前・袖口・衿・裾などを中心に汚れがないかを点検しましょう。
簡単な汚れは家庭でも落とせますが、原因のはっきりしないものはもちろん、アルコール類、しょうゆ、油、化粧品の大きなしみは、専門家に任せましょう。
又、酷く汗をかいた場合は(特に単衣・夏物)「汗抜き」もしくは「丸洗い」に出された方が良いと思います。汗ジミは当初目には見えませんが、時間が経つと黄ばみとなって浮き上がり、「取れないシミ・汚れ」となる事があります。


◆洗える着物(ポリエステル素材)の場合
汚れのひどい場合は家庭でお洗濯してください。

洗濯機ご使用の場合
洗剤は中性洗剤を適量使用し、水または30℃以下のぬるま湯で市販のナイロン・メッシュの大型の洗濯ネットに入れ1枚ずつ洗ってください。すすぎ洗いは、3〜5分程度。洗い上がりは軽く(15秒程度)脱水し、手早く取り出して1〜2度振りさばいたあと、衿・袖口など要所要所の形を整えて竿に通し(あるいは着物ハンガーにかけ)風通しのよい日陰で干します。
※タンブラー乾燥機は使用しないでください。

手洗いの場合
水かぬるま湯(30℃の人肌程度)を使い、押し洗いか振り洗いで10分程度で洗い上げます。その後そのまま素早く陰干しして下さい。


◆たとう紙に入れて、タンスに
着物のお手入れが終わった後はたとう紙に入れてタンスにしまいましょう。
着物用の防虫剤は直接着物や帯に触れないよう、たとう紙の四隅にのせます。
防虫剤には天然樟脳(くすの木が原材料)をお薦めします。2種類の防虫剤を併用すると化学反応を起こし着物の加工を酷く痛めることがあります。特に樟脳とナフタリンの組み合わせは危険です。金箔・金糸・銀糸が多く使われている着物には防虫剤は不適合です。やはり変色・腐敗する場合があります。どうしても虫喰いが心配ならば、「防虫香」をタンスやたとう紙の間に忍ばせておく事をお薦め致します。また、単純な事ですがタンスの下に新聞紙を敷くだけでも防虫効果も生まれます。そもそも、新聞のインクには防虫効果があるからです。

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