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伝統を受け継ぐものづくり

京友禅とは?

友禅生地

京友禅とは、京都の伝統工芸品の1つで、元禄時代に扇絵師の宮崎友禅斎によって考案された染色。友禅斎は、糸目糊を引いて色さしをこない、伏せ糊をして地染をするという友禅技術を確率しました。糊防染と色挿しによって染められた模様は水に入れても落ちず、どのような絹に染めても生地の柔らかさは損ないません。

板染(型)友禅について

弊社は板染め友禅という手法で着物の染付けをしております。
「手描き友禅」は反物(たんもの)一枚一枚を塗り絵のように筆で色づけしていく技法ですが、それに対して「板染め友禅」は筆を使わず木型を使います。
まず反物の模様部分の色別に木型を作り、それを版画の要領で反物に染め付けしていくのです。染め付けは各色別に作った木型ごとに行っていきますので、多くの色を使用したデザインなどになりますと、何版もの染め付けを行うことになります。
花鳥山水等を気高く、奥ゆかしい色彩美にて染め上げる色柄には、京都千年の歴史が育んだ、美しい感覚が息づいています。


京友禅工場

工場内の様子

京友禅(板染め)では模様のデザイン、下絵、糸目置、色挿し、糊伏せ、地染め、水洗い等約20種の専門職があってすべて分業制で行われています。


京友禅(板染め)の全体工程


1.図案・配色
2.型紙彫刻
3.色合わせ
4.地張り
5.型置き・染色
6.地染め
7.蒸し
8.水元
9.印金・刺繍
10.完成


これらの工程はいずれも省略したり、順番を入れ替えることができません。
弊社工場では、1.図案・配色 3.色合わせ 4.地張り 5.型置き・染色の工程を行なっており、それぞれ熟練した職人が確かな技術を持って担当しています。

工場内の様子

板染めの工程

1.図案・配色

1.図案・配色

創業100年余の丸染工には数多くの図案が存在します。その数およそ1000件。また、今でも毎年10件から20件の新柄が生まれております。
最近のトレンドも取り入れ卸問屋さん、図案屋さんと綿密に打ち合わせをしながら図案を作成致します。 できた図案に配色をします。一つの柄で15色から多い時は30色程度の色を使い、配色伝票に記入いたします。長年の経験と、配色のセンスの入る行程です。

2.型紙彫刻

1の工程で出来た図案・図柄を型紙へ落とし込みます。ひとつの図案・図柄を着物の部分(上前・上後等)ごとに20〜30枚、合計で150枚から多いものでは250枚ほどの型が必要となります。型紙は専門の型彫り職人さんへ依頼しています。

3.色合わせ

3.色合わせ

それぞれの染屋の絵具場にはそれぞれの色本が存在します。
丸染工でも長い歴史の末、現在では中振、留袖合わせて5,000色以上の色見本が保存されております。通常、着物1つの柄でおよそ20〜30色の色を使います。
全ての色に番号が振ってあり、配色伝票に明記されます。その指示に合わせて都度、色をあわせます。友禅の工程の中でもかなり熟練の技術が要る重要なポイントとなります。色糊=もち米糊に染料を加え、試験蒸しを数回行った末に完成。他にもバインダー糊、防染糊、胡粉糊等用途に合わせて多数あり。

4.地張り

4.地張り

友禅板にトロと呼ばれる糊を延ばし、生地の真中を板の剣先にあわせて生地のタテ・ヨコ目を正しく揃うように貼ります。糊にムラがあったり、余分にのっていたりすると、生地に滲み込むなどして友禅に染めムラが出来るので、刷毛で繰り返し、素早くのばします。友禅板は両面で一反の生地が貼れる様に、7メートル程の長さがあります。これは樅の木の一枚板が基本です。

5.型置き・染色

5.型置き・染色

地張りをおえた生地に型を置き染色します。工程順に、白糸目、金糸目数種類の色糊、ぼかし、伏せ、ヒッコ等の作業を着物の各部位ごとにひとつひとつ丁寧に染め上げます。友禅の工程の中でもっとも繊細で熟練の技術を必要とする工程となります。

6.地染め

6.地染め

伏せ終わった生地を柱と柱の間に引っ張り、横方向には伸子を張り、引染地入れ液を刷毛で均一に引きます。(地入れといいます。地入れをすることで伏糊を生地にくらいつかせ地色を均一に染めることができます。)その後、刷毛による引染で地色が入れられます。長い生地をムラ無く均一に染め上げなければならないこの作業は、技術と同時に早さも求められます。
※引染地入れ液=海草ふのりを炊き出した液に胡粉をまぜたもの。

7.蒸し

染料を生地に定着させ、発色させる為に、90〜100度近くの温度で20〜60分間程上記で蒸します。
蒸箱は現在ほとんどがステンレス製ですが、内側には昔と同様に木が使われています。
温度、生地の乾燥状態染料の状態、染料の種類や相性で温度や時間などが微妙に異なるので、長年の経験に頼らざるを得ません。

8.水元

染料がすべての生地に染着することはないので、余分な染料や伏せ糊等は水元で洗い流します。
長時間流水にさらし、色のりを十分にふやかして生地から剥離させ、その後、振り洗いなどをして仕上げます。
この時使用する水の水質がよくないと、染料の発色や生地の硬さに悪影響を及ぼすことがあります。
この作業、水元が俗に言われます『友禅流し』となります。かつては鴨川、桂川で行われておりましたが、現在はイベント行事として年数回、鴨川で見られます。

9.印金・刺繍

染色加工を終えた生地に、金銀などの箔や粉を接着させて模様を華やかに彩る技法で「箔暈かし」「糸目箔」「押し箔」「砂子」「摺り箔」等々と生地や模様柄の雰囲気に合わせて自由自在に箔を使いこなしていきます。
平面的な生地の中に立体的な縫いを施すことによってより友禅染を美しく魅力的なものにしてくれます。

10.完成

10.完成

このように数多くの工程を踏んで、何人もの職人さんの手を経て、着物は出来上がります。
作り手の思いはずばり、『着物を楽しんでもらうこと。』冠婚葬祭、晴れの舞台でも、普段の街歩きでも。
そのときどきに合わせた着物をみなさんに楽しんで頂く為のお手伝いを致します。