男性の正絹着物や帯のメンテナンス|陰干しや定期的な虫干しを

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着物の虫干し

自宅の洗濯機などで気軽に洗うことができない正絹の着物は長持ちさせようと思うと着た後手入れや定期的なメンテナンスが必要です。着物は一度着たら毎回クリーニングやシミ抜きに出すものだと思っている方も多いかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

 

着用頻度により着物のメンテナンス方法も変わります。ここでは「クリーニングに出す方法」と「自分で日常的にできること」とをご紹介していきます。

【クリーニングに出す】

 

 

一度しか着ていない着物でも、次に着るのが一年以上先やいつ着るのかわからない場合などはクリーニングに出す方がよいでしょう。着物のクリーニングには「水性」の汚れを落とす方法と「油性」の汚れを落とす方法とがあります。

丸洗い

いわゆるドライクリーニングのことで主に油・脂性の汚れを落とすのに適しています。

 

汗取り

汗などの水性の汚れをクリーニングすることです。

【自分で日常的にできること】

 

まずは外出から帰れば

やわらかい布かブラシで肩や袖口、裾等を軽くたたくようにして、着物全体のほこりを落とします。ほこりは目に見えないので、ついそのままにしがちですが年月がたつと少しずつ着物の色合いを変化させる原因になります。

着物の手入れブラシ

腰があるのに柔らかい純豚毛100%のブラシは着物のお手入れに最適です(^-^)
商品番号 komn-0569

 

 

 

 

次に着物を脱いだあとは

湿気や皺(シワ)をとるためにハンガーに掛けるなどして風通しのよい室内に掛けて体温や湿気を取り除きます。(一昼夜ほど置くのがベストです)

 

この状態ならきものが垂直に下がって、布目を休めることにもなり着物が生き返ります(^-^)

 

2-3日も掛けっぱなしにするとへんな皺がつきますのでかけすぎには注意です!

 

着物の手入れ陰干し

 

 

 

 

最後にアイロン

帯を締めたときの着物のシワや座りジワなどはアイロンをかけてシワを伸ばしましょう♪同時に殺虫効果が生まれます。アイロンをかける場合には、必ず「あて布」を置いて130~150度程で軽くかけて下さいね(^-^)

 

 

もし長期間(数か月~ワンシーズン)着ないときは布目を休めてから、たたんで収納してください。きものをしまうときは畳紙(たとう)や風呂敷などに包み、箪笥や衣装ケースにしまうのが理想です。

 

※着物や浴衣のたたみ方に自信のない方はこちらをチェック
https://www.otokokimonokato.com/kouza/tatamikata.html

 

【年に数回できること】

 

 

正絹素材の男着物や帯の日々のメンテナンスは、「陰干し」といって着用後室内などで吊るして通気させてください。(汗や湿気などを吸っているので)

その中でも年に数回は「虫干し」といって、風通しが良く太陽が当たらないところで風通しするのもよいと思います。

正絹素材は気軽に自宅の洗濯機では洗う事ができないので、日々のメンテナンスとして下記のことを知っておいてください。

 

「虫干し」

タンスなどにしまっていた着物を取り出して、風通しをすることで含んだ湿気を取り除くこと。

最近では和装に限ったことではありませんし高温多湿の日本においては欠かせない作業ですよね。着物に湿気を含んだままだとカビや黄変などの原因になるので、定期的なメンテナンスは必要です。

 

ポリエステルなどの化繊の着物は不要ですが、普段気軽に洗えない絹の着物などは乾燥した日に干すのが理想です!

 

虫干し時期

ごく一般的には下記の時期がよいと言われています。

・土用干し(梅雨の湿気を取り除く)   7月下旬~8月上旬

・虫干し(夏についた虫を追い払う)   9月下旬~10月中旬

・寒干し(湿気を抜く)          1月下旬~2月上旬

 

ただ賛否両論あって、土用干しをする8月はゲリラ豪雨があったり、湿気が高かったりするのであまり適していないという意見もあるようですが、カラッと晴れている時であれば問題は無いと思います。乾燥した時期という事では秋や冬場のほうがいいとは思いますが、要は着物を空気に触れ通気させることが重要です。

 

 

虫干し方法

着物をえもん掛け(着物ハンガー)にかけ※、日中を挟んで4-5時間、直接日光の当たらない風通しのよいところで着物や帯を陰干しをします。基本的には晴天の続いて湿気の少ない日の午前中から昼過ぎにかけてが理想です。※ヤケを防ぐため着物を裏返しにして干してもいいそうです。

 

とはいっても最近の住宅事情や天候等にも左右されるので、衣紋掛けやハンガーなどにかけて理想通りにはできない場合もあります。

そういった時はタンスから着物を取り出し畳紙を広げるだけでも効果はあるそうです。着物に空気を吸わせるのが重要なので、畳紙を広げて2時間程度、裏返して2時間程度置いておくだけでもよいでしょう。

 

こもった湿気を抜くのにタンスの引き出しをあけるだけでも、しないよりかはマシだと思います。

 

ちなみに夏の土用干しの時期にはウールの着物の場合は要注意!この時期には羊毛を食べる虫が産卵場所を探す頃のようです。下手すると卵を産み付けられる危険性もあるようなので虫干しするなら絹や木綿です。

 

 

虫干しの目的は、

湿気を取り除き、虫を取り除き、着物を点検することです。

そして、正絹着物のメンテナンス・保管方法でいちばんいいことは通気させることです。定期的なメンテナンスで着物を大切にしましょう!

 

 

それでもカビっぽいような匂いがとれない場合は洗い張りなどが必要になってくるのでお気軽にお問合せ下さいませ<(_ _)>
https://www.otokokimonokato.com/c/maint
(075-200-7684 平日10:00~17:00)

 

 

 

 

ひどい汚れが見つかった場合は自宅で落とすというよりはお気軽にご相談くださいませ<(_ _)>

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【更新履歴】

初稿:2016年08月17日
更新:2022年5月17日